大和秀嗣の歌謡クロニクル

年末長時間スペシャル

山口百恵デビュー30周年記念番組

〜山口百恵の8年間〜

「百恵回帰」番組載録

うさみかつみさん インタビュー
2<うさみさんと川瀬さん>

う・・・うさみかつみ さん  川・・・ 川瀬泰雄さん 大・・・大和秀嗣

M ♪・・ON AIRした曲です BG・・MC中にBGMで流した曲です

 M 新しい地図

大 うさみさ〜ん、いかがでしたでしょうか・・
う 懐かしいですね・・はい。
大 今、川瀬さんがこのスタジオにやって来て下さったんですけど、
  この「新しい地図」をずっと口笛で吹いておられました・・

う おお・・
大 川瀬さんとうさみさんは最近お電話でお話になっているんですよね・・
う はい
川 もしもし・・(笑)
う (笑)もしもし・・こんにちは。
  もう本当僕はすごく昔お世話になったから、なんかもう緊張してますよ(笑)。
川 何を言ってるんですか(笑)。
大 昔とてもスタッフ達が仲が良くて・・

う そうですね!
大 例えばマージャンをしたりとか、温泉に行ったりとか、俗な遊びで楽しんだって
  うさみさんがおっしゃってましたけれども。
川 もうホントうさみさんとはね、かなり・・結構一緒にあそびましたよね。
う はい。
大 ああそうですか!
川 一緒にエジプト遊びに行ったり・・
う そうです。
大 ああ、その写真うさみさんが見せてくれましたけれども・・。
川 たまたまね百恵をやってくれてる作詞家の方が阿木さんと伊藤アキラさんとそれと
  うさみさんの3人。
  それから僕と金塚さんと酒井さんと6人で・・。
  いやホントはね、僕と金塚さんと「エジプトあたり行きたいね!」って話してて、
  だったら阿木さんとかうさみさんとか・・って言ってるところに酒井さんもという事に・・。
  確かねあの時二人づつ部屋割りだったんだっけ、それで酒井さんとうさみさんになったん
  ですよ。
  それでうさみさんが酒井さんのプレッシャーにね・・毎日こう・・あおられてね、
  歯痛をおこしたんですよね(笑)

う そうそうそう・・よく憶えてるね!
大 歯痛!(笑)
川 ほっぺた膨らましちゃって・・
う そう、エジプトの写真最初の頃全部ほっぺた膨らんでるのね、かたっぽが。
川・大 (爆笑)
大 ずっと酒井さんとご一緒のお部屋だったんですか?

う それね最初は実は酒井さんと確か川瀬さんと部屋割りで・・
川 そう!?(笑)
う いやホントなの、で僕とね伊藤アキラさんだったの。それを酒井さんが添乗員に言って
  変えさせたんだよね。
川 ああ、だからねうさみさんの方がプレッシャー与えやすかったんだよね(笑)
う (笑)まぁまぁまぁ・・
川 僕時々歯向かってたから・・(笑)
大 なんかこのままお二人にまかせてずっと話を聴いていたい感じなんですけれども・・。

う 僕ね1コだけね申し訳ない事で憶えてるのは、コロムビアのレコーディングか何かのスタジオでね、
  川瀬さんがマッハ・ワン乗っててね、当時。
川 ムスタングのね。ばかデカイやつ。
う それで僕が送ってもらえるか何かの時に車庫入れか車庫出しで誘導してくれって言ってね、
  僕あんまり慣れてなくて、「オーライ、オーライ」って言ったら「ガーン!!」てぶつけてね・・
川・大 (大爆笑!!)
う それでね傷つけっちゃった事憶えてる。
川 あ、全然・・
う その時もでもね、川瀬さんは怒んなかった。笑ってね「ハハハ」って言いながらね・・
川 いや全然憶えてない・・
う 憶えてないでしょ、持ってきたばっかりの「マッハ・ワン」だったの。
川 あ、ホントに。
う 僕はあれずーっと憶えててね、いつか儲かったら修理代僕が負担しなきゃと思いながら・・
川 じゃ今お願いします!(笑)
う いや、ついに儲かんないで終わったっていうのがオチなんですよ。(笑)
川 (笑)
大 それ、川瀬さん「ハハハ」って笑ってたんですか?・・へぇ〜

う 川瀬さん基本的に僕に怒ったことね・・記憶にないのよ。
川 僕怒らないですもん、人に。
う ね。作家なんかに対しても優しいし、僕はね川瀬さんとコロムビアのあるディレクターは
  本当に面倒見てくれて、他の歌手も書かせてくれたり、
  芸能界っていうかあの世界に居て唯一「ああ、いい人だな・・」って思うのはね、金塚さん含めて3,4人で
  その中の一人ですよ川瀬さんは。
川 僕自分でもいい人だと思ってますよ(笑)。
う ホントにいい人ですよ。
川 (笑)
大 もちろん僕は全然お付き合いがあった訳じゃなかったんですけれども、
  うさみさんのお店の方にお伺いする時に、 川瀬さんに「うさみさんに連絡くれる様に言ってくれる?」
  って向かっている途中で携帯にお電話頂いたんですよね。
  その時ファンの友人と二人でいたんですけれども、携帯に「川瀬さん」って名前が出て・・
  「うわぁー!」って思って・・
川 (笑)
大 初めてですから電話でお話するの・・それにもかかわらずとっても暖かいんですよ!

う はい、はい・・。
大 それで僕びっくりしちゃって、嬉しくて嬉しくてそれをうさみさんに確か伝えたと思うんですけれども、
  そうしたら「とってもハートフルな方なんだよ」って・・(笑)。

う そうですね・・。
大 もう車をぶつけても怒らないくらいハートフルな方ですね・・・(笑)。
川 (爆笑)
う ホントそれは憶えてる。
川 あそう・・僕の方は全然憶えてないよ・・。


大 まぁいろいろな思い出があると思いますが・・。
  さてうさみさんは百恵さんの作品後期の方にも『COSMOS/宇宙』の中にタイトル曲、
  『ドラマチック』の中に「或る女・・・或る日」・・

う 多分その頃からプロデューサーの酒井さん直ではなくて、
  川瀬さん、金塚さんから「どうせならうさみに書かせてやろうか」みたいなノリでオーダーされて
  書いた記憶があります。
大 川瀬さん、このうさみさんは百恵ちゃんの作家の中では『百恵の季節』から一番長い間
  百恵ちゃんの曲を作った方になる訳なんですけれども・・。
川 そうですね、僕の方ではそんな意識っていうか、その時その時でねやっぱりいい作品
  書いてくれるっていう事でうさみさんも当然その候補の中に入っていた訳で・・
  長く付き合おうとか、そういうあれでは・・(笑)

う (笑)
川 いや、単純に・・僕意外とやさしいんですけど、結構厳しいんですよ(笑)。
  だからその時変な作品しか書いてくれないともう「ごめんなさい」になっちゃって、
  そのままお付き合いしなくなっちゃう人も・・・

う 今思えば僕いつもさ、傍にいて一緒にマージャンしたり遊んでたから、「しょうがねぇな・・」って
  言ってくれたと思ったんだけれども・・
川・大 (爆笑)
大 (川瀬さんに)そうなんですか?(笑)
川 (笑)
う でもホントに、しょっちゅう会ってたもんね!
川 うん、しょっちゅう会ってましたよね、ん〜。
う 仕事以外でもね!
川 そう。
う 訳のわかんない、もう・・
川 そう何か「おもしろい集まりあるよ」みたいになると、すぐ集まったり。
大 う〜ん・・いいですねスタッフ同士がそうやって仲がいいというのはとても・・・
川 あの・・「フォーリーブス」の彼なんかと一緒にマージャンやったりとか・・ありましたね。
う そうです、そうです・・
大 え〜「フォーリーブス」もマージャンやるんですか・・
う だって僕のとこさ、一時僕の狭いマンション、ホント狭いんだけど「雀荘」みたくなって・・
大 「雀荘」!
う 狭い中にピアノがあっったんだけど、そこに更にマージャン卓が2台入って、それで
  やってたみたいな時ありましたもん。
大 2台も入れてやってたんですか!そりゃ「雀荘」ですねまさしく。
う ええ・・でもいい時代でしたよ。
川 うん、楽しかったね・・。
大 そういった仲の良さがあるからこそまたこう・・チームワークも良くお仕事が出来たんでしょうね・・。

う 今川瀬さんがおっしゃった仕事に対するシビアさっていうのは当たり前ですが、一流の仕事を
  する上での。それは僕も感じてましたから、やっぱり気合入れて書かなきゃとか。
  僕なりにはね、最大限の努力してた様な気もします。
大 そうですか。
川 さっきさ聞いてたらさ、うさみさん何か「3日前」って言ってたけれど、殆どの作家そうだったよ(笑)。
う そうだよね。
川 そう・・あのさださんの1年前っていうのはとんでもない例外で、それ以外はかなりみんなもう
  スケジュール厳しい所でやってたよね・・。

う そう、そう、そう・・それでもね申し訳なさそうに言ってくれるならまだいいんだけど、もう全然
  当たり前の様に「はい、3日ね」「はい、2日ね」ってね・・。
川・大 (笑)
川 やっぱり曲を先行してるじゃないですか・・それで曲を選んでたりなんかしてると、
  どんどん後ろになってっちゃうのね。
  さっきうさみさんが言ってた様に作曲家もどんどん・・どんどん・・遅れてきたり、
  書き直しを頼んだりしてると、どんどん締切が後ろになっちゃうんですよ。
  ただレコーディングの日とか、そういうのはもう決まっちゃってるから最終的にその・・
  どっちみち最後の日しか書かないんだから・・(笑)

う・大 (爆笑!!)
大 そんな・・
川 いや、ほとんどの作家がたぶん締切の前の日書くんですよ。
う そうなの・・そうだよね実際ね。
川 ただ、実際にはペンでは書かなくても頭の中でこう・・組み立てとかっていうのは、
  そりゃあ長い方がいいんだろうとは思うんですけど。

う それでメロディもやっぱり叩き込んじゃうんですよ。もらった時点からメロディはまず叩き込まなきゃ、
  流れ、フィーリングはつかめないから・・。
川 そうだよね、だからうさみさんの詞の場合は、歌のノリはすごく良かったですもん。
う ありがとうございます。
川 あの、内容でたぶん直しを依頼した事はあるかもしれないけど、
  言葉のノリで直すとかっていう事はあんまりなかったですよね。

う そうですね。
大 そうですか・・。
川 うん、中にはいるんですよすっごいノリの悪い詞を書いて・・
う 要するに歌って気持ちいいか悪いか、僕は大事だったの。
川 そうそうそう・・
大 メロディとうまくこう・・噛み合うか
川 そうするとその人には、「あとここの行には、あと2文字足して下さい」とか、
  「ここはあと1文字」足して下さいとか・・。

う ああ、それはない俺。
川 うん。もうそういう・・僕がマスを作って、「この中にはめて下さい」っていう様な作家もいたから。
大 ああ、そうですか〜。言葉のノリがとても良かったと・・
川 だから言葉のノリでも、例えば3つ、4つ、5つとかっていう風に分かれて、言葉として
  もうここは3文字、次は4文字ってそれが一番ノリが良いっていう時あるじゃないですか。
  それを同じトータルで3文字、4文字で7文字でも、5文字と2文字にしちゃうとかっていうと
  もうメロディにすごい乗りにくくなっちゃうのね。
  そういうのはうさみさんはちゃんときちんと、いつもこう・・「ああノリがいいな」っていう、
  そういうのすごい憶えてますよね。

う ああ、ありがとうございます。
  めったに誉められる事ないから、もう感激ですわ。
川・大 (笑)

photo-kaiki-e-usami.kawase

エジプト旅行でのスナップ→
川瀬さん、うさみさんの御厚意で
掲載させて戴きました。

うさみさん

川瀬さん

夜のヒットスタジオ ’78・5・29 ON AIR
      「プレイバック part2
     阿木耀子さんのエジプト土産

井上 順 「あのね百恵ちゃん今日この首にかけてるの、
       これ何だか知ってます?」
芳村真理「これ百恵ちゃん、なんだかお土産ですって?
       エジプトの?」
百恵   「そうなんです」
芳村   「ちょっと見せてください、ホラ」

芳村「これどういう意味なんですの?」
百恵「これ百恵って書いてあるんですって、阿木耀子さんが
   エジプトへ行った時に
・・・」
芳村「これ百恵っていう意味なの!?」
百恵「そうらしいです・・」

芳村「へぇ〜」
井上「鳥があって魚があって鳥があって・・」
芳村「はぁ〜、う〜んおもしろいですね」

載録目次

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