![]() 大和秀嗣の歌謡クロニクル 川瀬泰雄さんを迎えて Part 1 M ♪・・ON AIRした曲です BG・・MC中にBGMで流した曲です
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BG イミテイション・ゴールド 大 さて「百恵白書」に始まりましてアルバムは「GOLDEN FLIGHT」という |
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BG MADE IN U・F・O ![]() 大 このアレンジをなさった加藤ヒロシさん、GSやってた方ですよね。 川 はいそうですね、昔「リンド&リンダーズ」っていうバンドで加賀テツヤさんっていうのが リード・ヴォーカルで居て、「加賀テツヤとリンド&リンダーズ」そこのリーダーだったんですよ。※ それで、坂本スミ子さんか何かにも曲提供したり、それから寺山修司さんなんかと仲が良くて 寺山さんと一緒に曲を作ったりしてる人だったんです。 ただ何か日本の音楽業界っていうのに見切りつけちゃって、ロンドンへ渡って、 ロンドンでミュージシャンズ・ユニオンへ入った・・・。 ロンドンって外国にミュージシャンっていうのはあんまり認められにくいんですよ。 許可証がないとあっちは音楽活動出来ないんですよね、プロとしての活動は。 ミュージシャンズ・ユニオンっていうのにすごい厳しい国で、そこに日本人として加藤ヒロシさんと 後でフリーからロッド・スチュワートのバンド「フェイセス」に入った山内テツ(ベース)さんとか・・ 3人だけが日本人として向こうのミュージシャンズ・ユニオンに入ってる人達なんです。 大 ああ、そうなんですか・・・ 川 それで加藤さんっていうのを僕は人づてに「ロンドンでレコーディングしたいんだけど、 誰か適任者いないかな」って言う話になったときに共通の知り合いが居たんですよね。 じゃあその人が連絡取ってくれるから「直接電話してくれる?」って言われて、電話したんですよ。 そのとき「初めまして」だったんですけれど「どういう風なスタンバイで行こうか」って話になって、 「じゃあ僕がまずテープを送る、それを聴いた感じで連絡くれる?」っていう話になって。 「いい曲多いね」って事になって、「是非やらせてくれ」って。 今度やる段取りでいついつ行くんだけれども、キャッシュを持ってくよりも先に送りたいんで・・ っていうのはある程度準備段階で支払いなんかもあるから。 「じゃあとりあえず、どのくらいいるの?」って聞いたら、 「多分100万円くらい先に送ってくれたら、準備出来るから」って言ったんだけど、めんどくさいから 僕500万いっぺんに送っちゃったんですよ。 大 (爆笑)! 川 (笑)それで、その頃大体アルバム1枚一千万くらいかかる時代だったんですけど。 それで向こうへ着いて「川瀬さん、何て事する人なんだろうって思った」って言うわけ。 「持って逃げちゃおうかって思った」って。 大 (笑)加藤さんがね・・。 川 そう。それで皆で顔合わせした時に、一応食事会しようかって言って「JOE」ってバンドだったんですけど、 このメンバーが全員集合して奥さんなんかもみんな来てそこでみんなで食事してたんですね。 加藤さんがその話したら「何で早く教えてくれないんだ!」ってみんなが言うんですよ。 「そうすりゃ仕事しなくて済んだのに」って(笑)。 大 (笑)ギャラだけもらって。 川 それでそこでは打ち解けたんですけど、レコーディング行って・・僕なんかロンドン行ってものすごく ロンドンって馴染んじゃうんですよ。 大 そうですよね。 川 そのミュージシャンなんかにも「おまえ何年ロンドンに居るんだ」って言われるから、 「いやぁ昨日来たばっかりだよ」って話になって。「おまえ他の日本人と違う」って言うんですよ。 「何で?」「他の日本人、仕事仕事ってギンギンだけど、おまえ仕事しようとしてない」って(笑)。 大 (爆笑) 川 「そんなバカな」って思ったんですけど・・・。まぁそういうのがあって、今度いざ音出しを始めて。 僕は自分のイメージってすごいロンドン来た時に「山口百恵をこういう風にしたい」ってイメージはあったんで、 最初にレコーディングした1曲目がなんかイメージ違うんですよね・・そのミュージシャンが演奏してて。 かなりこう・・「こんなんじゃない」って、「もう一回こんな感じでやってみてくれないか?」って言ってるのを あんまりしつこくやり出したら、ミュージシャンが段々、段々「おまえ何を求めてるんだ」って話になってきて、 「僕はこういう形でやって欲しいんだ、その為にロンドン来たんだ」って、そしたら「俺達を使うんだったら、 俺達の音でいいんだろ」っていう話になったんですよ。「あなた達の音でいいんだけれども、俺はこういう イメージでやろうと思ってるんだ」・・そこでね結構険悪なムードになってきちゃって、どうしようかなって思ってたんですけど、 「とにかくもう一回やってくれ」って「ここはこういう感じでやってくれ」って言ったら向こうも 「OK,OK,わかった」みたいな感じで始まったんだけど、その時にある種の緊張感みたいのがみんなの中にあって、 「これ以上行くと、トラブルな」みたいな。もしかしたら「パンクするな」くらいの緊張感があって。 そこでミュージシャン達も「これ、最後だな」みたいな雰囲気でやってくれたんですよ。 その時すっごいよかったんですよ。もうイメージにほとんど近いなって思って、「こういうんだよ、こういうの!」 って話になったらミュージシャン全員が「俺達もこれが一番いいと思う」って話になって そこで「じゃあ求めてる物同じなんだから」っていう事で、一気に今度仲良くなっちゃって。 大 はぁ〜。 川 それでベースを担当してくれたゴードン・ハスケルっていうのが、かなりプログレの中では 有名な「キング・クリムゾン」ってバンドのベーシストだったんですけど、その彼と仲良くなっちゃって・・ 大 すごいですよね!「キング・クリムゾン」のベーシストが参加してるんですからね 川 彼が僕を気に入ってくれてね「プロデュースしてくれ」っていうんですよ、自分の。 僕はその英語もそんなに喋れないし、ロンドンの状況なんかわからないから「無理だ」って言ったんですよ。 そしたら、「とにかく自分の作っている曲が2,30曲あるんでそれちょっとサジェッションしてくれ」って そのテープ持って僕のホテル来て・・。僕も「キング・クリムゾン」って僕にとってもすごいバンドだなと思ってたから、 井上陽水のレコーディングの時に「クリムゾン」のサウンド参考にした時もありますし、 僕の中で「すごいグループだ」と思ってる訳ですよ。 そこのベーシストが曲サジェッションしてくれって言われて持ってくる訳じゃないですか、こっちも もう半分破れかぶれで本当に思った通りに「ここのサビがおもしろくないな」とか「ここはもうちょと抑えて こっから盛り上げた方がいいんじゃないか」とかって勝手なこと言うわけですよ。 まぁ途中に通訳してくれる人は居たんですけど。そうするともうすごい素直に「OK・・OK,サンキュー」って すっごい素直に聞いてくれるの。 そのゴードンっていうのがホントにいい人間で、素朴な人間で「クリムゾン」って過激なバンドに居た人だとは 思えないの!どっちかって言うと田舎のお兄ちゃんっていう感じなの。 それで、ドラムのジム・ラッセルっていう奴はもう都会っ子で冗談が好きで・・って 奴なのね。ゴードンはもうちょっと年上なんですけどそのジムの方が若いんですけど、 しょっちゅう騙すんですよ・・冗談でね。 その騙してるのを英語のわからない僕が「あ、また騙されてるあいつ・・」ってわかっちゃうの(笑)。 そんなに素直に騙されちゃうってくらい素朴な人間なの。 だからゴードンが持ってきたときに全部聴いて「こいつホントに素直ないい曲書くんだな」っていうのがあってね、 それでまず仲良くなって。 それでカラオケを録って百恵が来る・・その直前だったんですけど、ゴードンが「山口百恵来るんだったら、 俺の車貸してあげるから使っていいよ」って。 「車なに?」って言ったら「ミニ・クーパー」だって、「じゃあ借りるよ」ってホテルまで持ってきてくれたのね。 ゴードンっていうのは僕より背が高くて大柄なんですけど、ホテルの前で待ってたらミニ・クーパー自体 ちっちゃい車じゃないですか、あれの窓からひょこっとしか首が見えてないぐらいの感じで来るんですよ。 「あれ何だろうな・・」って思って、これ使っていいからってパッと見たらシフトレバーが真中から折れてるんですよ。 大 え〜 川 シフトレバーを持つためにはかなり下の方に手を伸ばさないと握れないのね。だから窓からちょこっとしか顔が出ないぐらいで、 その車でずーっと百恵をロンドン中案内して・・(笑) 大 えーそうなんですか〜あのアルバムにはロンドンでの百恵ちゃんのカットがいっぱい載ってましたけど、 一緒にその車で百恵ちゃんと・・ 川 そうですね、あの・・ポート・ベロー行ってみようかとか、アンティークショップ行ってみようかとか、 ホントにいい時期、季節で緑がたくさんあって・・もうこのロンドンレコーディングはものすごい僕 にとっても印象深い・・レコーディングですよね。 |
大 あのスタジオでねミュージシャンの皆さんとかスタッフで撮った写真の百恵ちゃん、すっごいいい顔してますものね! |
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